目指すもの

大豆を取り入れてバランスの良い食生活を

バングラデシュでは、肉・魚・卵が高価なためにタンパク質が不足している子どもたちがいる一方で、油が多い濃い味付けのトルカリ(おかず)でたくさんのご飯を食べるなど、栄養的に偏った食生活を送っている人も数多くいます。私たちが暮らす農村部のシャシャでも心臓疾患や糖尿病、がんなどで命を落とす人や高血圧・肥満などの生活習慣病に罹患する人が増えてきました。

 

そこで、タンパク質をはじめ多くの栄養素(必須アミノ酸など)を含み、手ごろな値段で手に入りやすい大豆を、日常の食生活に取り入れるよう普及を進めています。スタッフが学校やNGO事務所、行政機関などに出向いてわかりやすく大豆の話をすることは、地域の人たちが栄養に関心をもってくれるきっかけになります。スタッフの話を聞いた子どもたちが、家庭に持ち帰って、「今日大豆の栄養の話を聞いたよ。体にとてもいいんだって。」と話すことで、家族や近隣の人たちが健康に関心を持ってくれると嬉しいです。


地域産業としての大豆プログラム

学校給食や加工食品に必要な大豆は、地元の農家に契約栽培を働きかけてJBCEAバングラデシュが買い取り、不足分は他の大豆栽培地域から購入しています。

契約農家にはスタッフが定期的に巡回して、行政機関や肥料・農薬販売代理店と連携を取りながら栽培方法を指導し、問題発生時には協力して対応策を講じています。顔の見える地元の農家からの購入量を増やすことで、地産・地消を進めてきました。

 

さらに地域の人たちに大豆の食用としての価値を知ってもらうために、加工食品の生産販売を行っています。きちんとした身支度、加工場の清掃、整理整頓、器具の洗浄等に常に気を配るなど、衛生的な生生産環境は地域のモデルにもなっていて、働くスタッフたちの誇りでもあります。また、特別注文受注のための増産も効率の良い方法を考え、日頃のチームワークを生かし、スタッフの労働環境に配慮してできるだけ短時間で終わるようになりました。このようにして得た達成感は私たちの自信に繋がっています。


シュガーパン
シュガーパン
ノウカ(小舟)パン
ノウカ(小舟)パン
市場の茶店 JBCEAの大豆入り商品を販売
市場の茶店 JBCEAの大豆入り商品を販売

 これまでの活動、そして今

大豆の普及は、シャシャで活動していた青年海外協力隊員たちが大豆を栄養改善に役立てようと、1984年に地域の農民に大豆栽培を呼びかけたことから始まりました。しかし、シャシャでは大豆を採油用、飼料用と捉えている人がほとんどで、食用として広げることは難しい状況でした。

JBCEAバングラデシュでは、大豆の持つ栄養を地域の人たちの健康作りに役立てたいと、2004年から再び食用としての大豆栽培普及を開始。事務所横にデモンストレーション用の圃場を作り、近隣の農家に栽培方法を指導し、スタッフが村周りをしてサポートしました。

2010年からは、学校給食に使用する大豆や大豆入りパンを加工室で生産し供給しています。また、地域の人たちにも大豆加工食品を食べてほしいという思いからソイドーナツを考案し、事務所内の店舗で販売を開始しました。

2014年組織改革によって責任者が新しくなり、揚げ物、ベーカリー、販売、大豆栽培などの各担当スタッフと共に、生産・販売・大豆生産に至るまでマネジメントができるようになりました。購入者を事務所で待つのではなく、地域と積極的にコミュニケーションを取って普及を図ろうと、政府の食品販売許可証を取得し、地域の人々の憩いの場になっている茶店への委託販売(=セルポイント)も開始しました。同時に加工室の備品を整え配置を工夫し、衛生的に効率よく生産できるように整備を進めました。衛生管理(身支度・清掃など)・スタッフ間のコミュニケーション・労働時間の管理など、きめ細な配慮によって生産・販売高も飛躍的に伸びてきています。

大豆の持つパワーを多くの人たちに知らせるため、セルポイントのオーナーミーティングや地域の学校などで、大豆の栄養についてわかりやすく話す活動も継続的に行っています。

 今後の課題

物価上昇で材料費が膨らむ中、美味しく栄養豊富な大豆加工食品を地域の人たちに手ごろな値段で届けるのは簡単なことではありません。

このような厳しい状況下でも、新しい商品開発のために近隣の大きなパン工場を視察したり、地域の関係者と良い関係を築いたりすることで新たな販売先を開拓するなど、さまざまな模索を繰り返しながら将来的に自立を目指しています。

今後もスタッフで工夫を重ね、日本からも大豆に関する新しい情報を得て、誰にでも「JBCEAのソイ(大豆)入り商品だよ。」と勧められる、美味しくて健康に良い商品開発をしていきます。