安価な大豆を人々の栄養源に
バングラデシュでは大豆は油をとるだけのものだと思われていました。JBCEAでは、2004年より大豆栽培と食用の普及の活動を進めています。地域の子ども達や住民の栄養不足の解決を願って、大豆を高価な肉魚に代わる比較的安価なタンパク源として紹介しています。
2010年から地元農家が作った大豆を使い、公立小学校で大豆入り学校給食を開始。子ども達は大豆入りケチュリ(おじや)、大豆入りカレー、大豆パン、豆乳を美味しく食べています。
さらに大豆ショップと大豆加工センターで、大豆食品の加工・販売を行い、地域住民への大豆食品普及に取り組んでいます。
栄養たっぷり大豆食品
地域の皆さんに喜んでもらえる美味しく、栄養たっぷりの大豆食品の開発にスタッフは日々取り組んでいます。写真の女性スタッフが作っているのは豆乳入りのドーナツ。手際よく3人で仕上げていきます。
パン職人のニアムルさんが材料を混ぜ合わせ、一次発酵が終わった生地を成形します。
ダッカでパン作りの経験を積んだニアムルさんは、ていねいなな仕事ぶりで、仕事場はいつもきちんと整頓されています。いつもニコニコおだやかで誠実なな人柄、助手の少年たちにも声をかけ、毎日おいしいパンやケーキを作ります。
チームワークで飛躍的に生産量が増加
一年前は30個作って売るのが精一杯だった大豆ドーナツですが、2014年8月現在では、日常的に3000個のドーナツを作ってシャシャ各地域の茶店に委託販売しています。
郡事務所からイベントで配布するために特別注文があるときは一日8000個作ります。
大豆食品づくりのスタッフは、チームワークで力を合わせて製造し、販売もしています。他スタッフも販売に協力します。
今まで油や飼料として使うものと思われていた大豆が、シャシャ周辺ではイメージチェンジを果たしました!
これからも栄養のある大豆を使って、いろいろなおいしい大豆食品づくりにチャレンジします。
地域に広がるおいしい大豆食品!
2013年に事務所の大豆ショップを離れ、近隣の茶店でセールスポイント(委託販売)をスタートしました。人々が茶店に集まって紅茶を飲んで一日の疲れを癒すときに大豆ドーナツや大豆ケーキを一緒に食べます。2014年8月、シャシャ郡内に49ヶ所だったセールスポイントは2017年3月に120ヶ所に増えました。大豆ドーナツ、大豆ミシティの人気が口コミで広がっています。
2013年からはオーブンを使って給食用大豆パンを焼き始め、今は各セルポイントに広がっています。
大豆の粉入りのドーナツは、もちもちしていて、かりっとかためによく揚げたものが好まれるようです。
ドーナツの型抜きも無駄なく!手際よく!
多くの人に大豆のよさを知ってもらうために
最近バングラデシュの村でも糖尿病や高血圧、肥満の生活習慣病を患っている方や、がんで亡くなる方が増えています。
SOYのプログラムマネージャーのシャヒナさんがセルポイントのミーティングで、大豆は栄養が優れているだけでなく、糖尿病などの生活習慣病の予防に役立つことを紹介しました。毎日食べるチャパティの中に少し大豆粉を入れて食べると効果があることを説明すると、「母親が糖尿病だから大豆を食べさせるんだ」とたくさん買っていった方もいました。少しずつ大豆のファンが増えていくことを期待します。
◇大豆加工食品普及事業の活動は、「連合・愛のカンパ」中央助成の支援を受けて実施しています。